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【線維筋痛症とは】

繊維筋痛症とは、はっきりとした原因がないにもかかわらず、全身に及ぶ筋肉の激しい痛みやこわばりなど、様々な症状が引き起こされる病態の総称を言います。

働き盛りの中高年女性に多いといわれています。

比較的患者数の多いリウマチ性疾患であるにも関わらず、我が国の医療機関での認識が遅れているのが現状です。そのため診断されなかったり、誤った診断をされて長く症状に苦しんだりと、様々な問題が生じています。

【症状】

主な症状は筋肉の強い痛みです。

その範囲は体全体であったり一部であったりと定まっていません。

これらの痛みは持続的または断続的に起こり、1日のうちの時間帯によっても痛みの強さが変わります。

また気候の変化や運動、ストレスなどによっても変化します。

痛みのほかには疲労感や倦怠感、気分の落ち込み、睡眠障害など様々な神経、精神障害が引き起こされます。

【原因】

痛みが出ている部分に原因があるのではなく、痛みを伝える神経システム自体に問題が起きて症状が出現すると考えられています。

実際には何も原因がないにも関わらず、痛みを脳に伝える神経が勝手に興奮します。そこで通常はその痛みを抑制する反応が起こるはずが、その反応が正常に働かずに痛みが出ます。

こうした脳のシステムエラーは遺伝的な問題、心身的ストレス、外傷など様々な要因で起こりうるとされています。

ただ、最新の研究で”脳の神経に炎症が起こっているため”であることが解ってきました。

【病院での診断・治療】

以下の３つの条件を満たすと診断されます。（米国リウマチ学会予備診断基準：２０１０年）

①痛みの範囲が一定基準以上あり、また重症度が一定基準以上ある

②症状が診察時と同じレベルで３カ月以上持続する

③慢性疼痛を生じる他の疾患と鑑別できる

医療機関では主に症状を和らげるために、薬を用いた薬物療法や血行を良くし代謝を上げるための適度な運動療法、ストレスを軽減させるための心理カウンセリング療法、ホットパックや入浴などで筋肉の痛みを和らげる温熱療法など、これらを多面的に活用し改善に向けてアプローチしていきます。