【肘関節脱臼とは？】

人間の腕は、肘から上の上腕骨と、肘から手首の間にある尺骨、橈骨により構成されています。

肘関節とは、これら３つの骨により成る関節です。

肘関節脱臼とは、通常接している上腕骨の下端と尺骨の上端、あるいは上腕骨の下端と橈骨の上端が、外力などによりずれたり外れたりしてしまうことです。

上下の骨が全く接しなくなった場合を脱臼、ずれが生じているものの一部が接している場合を亜脱臼といいます。

成人に多いのと、前方脱臼の場合　骨折を伴うことが多いです。

【肘関節脱臼の種類】

・前腕両骨脱臼

①後方脱臼(多い)

②前方脱臼

③側方脱臼(外側・内側)

④分散脱臼(前後型・側方型）

・単独脱臼

①尺骨脱臼（後方脱臼（まれ））

②頭骨脱臼（前方・後方・側方）

【症状】

・発生と同時に激しい痛みや腫れがある

・肘関節は軽い屈曲（３０°～４０°）で固定され自動運動は不能となります。

・患側側の肘頭は高い位置にあり、前腕は短く見えます。

【原因】

転倒やスポ―ツをきっかけとして起こる外傷性の肘関節脱臼が多いようです。

・肘を伸ばしたまま手を衝いて転倒した時

・肘関節を強く引っ張られた時（過伸展を強制）

・関節包前面の断裂もしくは内側側副靭帯の損傷

【治療】

肘関節脱臼の治療は、整復（肘関節の矯正）といってずれた骨を元に位置に戻す処置を行うことです。

この処置には痛みが伴うため、もちろん痛み止めを使用した上で行います。

整復後、三角巾やギプスで固定し３週間ほど安静にします。