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めまい・メニエール病

【めまい・メニエール病とは?】

 

「めまい」は日常生活でもよく体験される症状です。

めまいは視界や自分自身がグルグルと回る感じがする「回転性めまい」、

自分の身体がグラついたりフワフワするような「“非”回転性めまい」の2つに分類されます。

 

「メニエール病」は、目が回って立っていられない・天井や床がぐるぐる回るなどの回転性のめまいに分類され、通常は片耳の難聴、耳鳴りを主症状とする内耳性の病変(疾患)です。

 

30~40代の女性にやや多く、やせ型で几帳面、神経質な性格の人がなりやすいという統計もあります。メニエール病は病気として厚生労働省の特定疾患として難病に指定されています。

 

【症状】

 

突然の激しいめまい発作が数十分から数時間程度続き、その間難聴や耳鳴り以外に吐き気、腹痛などの症状も伴います。また、聴力低下、耳の詰まり感などもあります。めまいが治まると耳鳴りや難聴も元に戻りますが、不定期にめまい発作を繰り返すことで、少しずつ難聴が悪化していくという特徴もあります。

めまいは回転性のめまいであることが多く、30分から数時間持続しますが、2日以上に渉ることはありません。めまい発作時には障害側向きの水平回旋混合性眼振が認められ、数十分を経て眼振の方向が逆転します。また、聴力検査では典型的な内耳性難聴(※1)を示し、補充現象(※2)が陽性となります。

 

〈参考文献〉南山堂 医学大辞典P.1530~1531、P.1964

(※1)難聴の原因が内耳にあるもの。原因の主たるものは薬剤中毒(ストレプトマイシン、カナマイシン、ゲンタマイシンなど)、音響(音響外傷、職業性難聴など)、頭部外傷、メニエール病、遺伝(家族性内耳性難聴、先天聾など)、突発性難聴、感染によるものなど種々あげられるが、原因不明のものも少なくない。

 

(※2)音の強さの変化に伴う音の大きさの変化が、正常耳の場合に比べて以上に大きい現象のこと。音の強さは刺激としての物理量であり、大きさはそれによって起こされる心理量であり、その間には一定の関係があるが、何らかの原因で聴力が悪化して可聴閾値が上昇している場合には、正常耳に比べて強い音にしないと聞こえない。しかし聞こえる音については上記の強さと大きさの関係が正常耳と異なって強さの変化に対する大きさの変化が著しい。したがって強い音については、正常耳と同様、大きく聞こえる場合があることになる。この補充現象内耳性難聴で陽性になるので、この現象の有無によって、感音難聴内耳性(迷路性)と後迷路性難聴とに区別することができる。

 

【原因】

 

めまいは、脳の病気が原因のものもあるが、多くは耳の病気によって起こります。耳の奥にある内耳には、体のバランスを司る三半規管と、音を感じ取る蝸牛(かぎゅう)という器官があり、これらは膜で区切られています。

 

そして、それぞれ内リンパと外リンパという2種類の液体で満たされていますが、メニエール病は内リンパ液が過剰に溜まり、水膨れ(内リンパ水腫)になることで発症すると考えられています。しかし内リンパ水腫がいかにして発症するかについては、未だ明らかにされていません。

 

内リンパ液が増え過ぎると、蝸牛の圧が上がり難聴が起こります。さらに、神経を刺激してめまいや耳鳴りが生じます。

 

これまでは、これらの症状は中枢神経系の障害が主だと考えられていましたが、1861年、Meniereがめまい、難聴、耳鳴りを主症状とする症例の剖検例で、内耳に出血性浸出液のあることを示し、内耳からもめまいが発症することを初めて示唆しました。

 

他に、メニエール病が発症する場合の特徴として、睡眠不足・疲労・ストレス・気圧の変化、またメニエール気質といって、神経質な性格、几帳面な性格、まじめな性格、完璧主義の人などに多く起こる傾向があり、男女差は特になく、多くの場合30~50歳代に発症します。

 

 

【めまいがあればメニエール病?】

 

実はメニエール病には厳密な診断基準があり、その基準に当てはまる場合だけがメニエール病と診断されます。

それは「耳鳴り、難聴、耳が詰まる感じなどの、聴覚症状を伴っためまい発作を繰り返す」です。

 

ここで一番大切なのは「繰り返す」という点です。難聴発作やめまい発作が1回起きたからといってメニエール病とは診断できません。

 

他には平衡感覚と聴力を重点的に検査します。メニエール病の検査はMRIやCTを使用しても診断できません。

 

平衡感覚や聴力など、簡単な検査のほかに点滴を用いて行なう検査もあります。

 

これらの診断基準を満たし、且つ類似する他の病気を除外できたものをメニエール病と診断します。

 

 

【病院での診断・治療】

 

診断は、聴力検査、眼振検査、グリセロールテスト、画像診断によって診断されます。

※グリセロールテストとは、グリセロールを服用した前後の聴力の変化を診るテスト。内リンパ水腫の有無を確認することができます。

 

メニエール病の治療は、トランキライザー、循環調節薬、抗めまい薬などの投薬治療、手術になります。

 

具体的には、めまいや吐き気を抑える薬、発作を鎮めるための薬、リンパ水腫の改善を目的とした利尿剤が処方されますが、安定剤や抗ヒスタミン剤が用いられることもあります。

また、精神的不安が強い場合は抗不安剤なども処方されます。発作の初期の段階で上手にめまい止めや抗不安薬などを用いることで、大きな発作の予防や症状の軽減が期待できます。

 

めまい発作が反復する症例においては、内耳への手術療法が行われることがあります。

 

しかし、メニエール病には疲労・ストレス・睡眠不足、また精神的に追い詰められた人や、長期間にわたって大きなプレッシャーを感じていた人などが関与していると考えられており、投薬治療だけでは根本的な治療にはならず、完治は期待できません。「薬によって症状を抑える事ができる」事で少し安心しながらゆっくりとストレスの原因を見つめ直したり、生活習慣を見直し、正すことが必要です。

 

症状一覧

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