頭痛といえば誰でも一度は経験のある身近な病気ですが、頭痛と一口に言ってもその分類は実に３００種類にも及びます。

今回はその中でも緊張性頭痛、群発性頭痛、偏頭痛、気象病の４つについて言及していきたいと思います。

①緊張性頭痛

（概要）

別名を筋収縮性頭痛とも言います。

主に両側の後頭部からうなじにかけて起こり、場合によっては側頭部や前頭部にも起こります。

（症状）

症状としては鈍い痛みや圧迫感、重い感じが大部分です。

発症の過程はゆっくりで、我慢できる程度のものが比較的長く続きます。

（原因）

ほとんどの場合、不安やストレスに関連するとされており、慢性の筋収縮とそれに伴う頭皮血管の収縮が原因とされています。

（治療）

治療法としては、不安やストレスを取り除き筋緊張を和らげ、抗不安薬・筋弛緩薬の投与が効果的です

②偏頭痛（片頭痛）

（概要）

女性に多く、発生しては収まるという反復的な症状を特徴とし、吐き気や嘔吐を伴うことが多い頭痛です。

また偏頭痛にはいくつかの種類がありますが、ここでは最も多い普通型偏頭痛というタイプについて述べたいと思います。

（症状）

頭痛が起こる前の予兆などはなく、こめかみの部分がドクドクと拍動しているを感じとれます。

症状は４～７２時間持続し、前述の拍動は片側に起こることが多く、激しい痛みを伴うことが多いです。

また運動はもちろん、日常の生活動作、光や騒音などの刺激で悪化し、寝込んでしまうことが多いです。

（原因）

原因は諸説ありますが、何らかの誘引により脳血管の異常な収縮がまず起こり、その際にセロトニンという物質が血中に放出され、脳血管の拡張と血管の外側に漏れ出る現象が起きます。

そしてこれが三叉神経を経由して、痛みを引き起こすと考えられています。

（治療）

治療としてはセロトニン受容体刺激薬（スマトリプタン）が有効とされています。

③群発性頭痛

（概要）

片側の目のクマができる部分に、キリで数秒間突くような激しい痛みが短期間繰り返されるという症状が続きます。

（症状）

上記の症状の間に、結膜が充血し、涙、鼻詰まり、鼻水などの症状が起こります。

数日から数週間集中的に起こり、深夜特にひどくなりのたうち回るほどの痛みに襲われることもあります。

これを1〜数年に1度ほぼ同じ時期に反復します。

（原因）

原因にはストレスや飲酒、ヒスタミンなどがあるとされています。

（治療）

治療法としては②偏頭痛の治療に準じます。

④気象病

（概要）

気象病とは、気象や天候によって症状が発症もしくは悪化する体の不調の総称です。

古来より「天気が悪くなると古傷が疼く」といった言葉があるように、これは気象病のことを指していると考えられます。

（症状）

代表的なものに頭痛が挙げられ、この他にもめまいや吐き気、疲労感、関節痛、気分の落ち込み、神経痛、腰痛など様々なものがあります。

（原因）

気象病は悪天候のほか、台風や季節の変わり目など、気圧の変化によって引き起こされます。

具体的には低気圧によって、気圧の変化を制御するために〝内耳〟が自律神経を活性化させ、その活性化した自律神経は痛みの神経を刺激したり、血管を拡張・収縮させて周りの神経を刺激することによって様々な症状が引き起こされます。

（治療）

治療法としては自律神経を整える生活を送ることが良いです。

十分な睡眠や規則正しい生活、クリーンな食生活、適度な運動、これらを心掛けることで自律神経が正常になり症状が改善されます。

またマッサージやヨガ、ストレッチ、この他にも鍼治療なども改善に効果があるとされています。